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ヤマとハヤシ、違いは? [よもやま話]

ヤマといえばこんもりと丸く盛り上がる場所を、ハヤシは木々が密集している場所をイメージする。と思っていたら、ちょっと違うようだ。

国立国語研究所が調査した『日本言語地図』によれば、ヤマとハヤシを区別せずヤマと呼ぶ地域やハヤシと呼ぶ地域、両方を区別する地域が全国に分布している。『日本言語地図』とは、全国各地の方言で表される内容を地図にまとめたもの。コワイを「疲れた」の意味で使うのは北関東から東北に多く、「恐ろしい」とするのは関東南部から四国・中国地方まで。九州ではどちらの意味にも使わない、といったことがわかる。

この地図の第4集、第200図には、「ハヤシ・ヤマの意味(平地林か傾斜地林か)」の調査結果が示されている。平たい土地に木々が生えている「平地林」を、ヤマと呼ぶか、ハヤシと呼ぶか。また、丘や斜面に木々が生えている「傾斜地林」は、ヤマなのかハヤシなのか。この地図によれば、多摩市を含む関東南部は、両方ともヤマと呼び、ハヤシとは呼ばない。九州全域、中国地方西部なども同じ。青森を除く東北地方は、両方ともハヤシと呼ぶ。関西では平地林をハヤシ、傾斜地林をヤマと呼ぶ地域が多い。
そんな違いがあったのかと驚くと同時に、方言研究は微に入り細に入りなのだと感心してしまった。

ヤマ・ハヤシ.jpg
「ハヤシ・ヤマの意味(平地林か傾斜地林か)」
『日本言語地図』第4集(国立国語研究所) 第200図
https://www.ninjal.ac.jp/s_data/drep/laj_map/LAJ_200.pdf

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