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葉に細かい毛が生えるミドリハコベ、花柱が5つのウシハコベ、そしてニワトリの餌 [よもやま話]

畑の外れに小さい白い花が咲いていた。ハコベのようだが自信がない。植物博士のM倉さんを探す。「ハコベなんだけど……」。いつになく自信なげに花をじっくり観察する。博士でも難しいのかな……と調べる仕草を見ていると、「ハコベにもいろいろあって、区別が……」。やおら立ち上がり、広場を探し回る。何かをつかみ上げて「これはミドリハコベ。葉っぱが柔らかく薄い毛で覆われている」と差し出す。触るとフワフワした触感。「さっきのはウシハコベ。花柱が5つある」。植物鑑定士のI井さんが取ってきたさっきのハコベと見比べる。

あとで調べると、ハコベといっても、ミドリハコベ、ウシハコベのほかに、コハコベ、イヌコハコベ、ミヤマハコベ、ノミノフスマなどいろいろある。ハコベはビタミンが豊富で昔は食用だった。春の七草。ちなみに春の七草は、せり(芹)、なずな(薺)、おぎょう(御形)、はこべら(繁縷)、ほとけのざ(仏の座)、すずな(菘)=かぶ(蕪)、すずしろ(蘿蔔)=だいこん(大根)。

ハコベの小さく白い花をじっくり見ていたら昔が蘇ってきた。
小学3~4年の頃だろうか、友達から「ハコベを鶏農家に持って行って10円もらったけど、やってみる?」と誘われた。ハコベがわからないと応えたら「すぐ分かるよ」と。確かにはびこる草をむしりながらハコベの姿を覚えた。土手や道端はハコベだらけ。あふれるほど鍋いっぱいに持って行ったら「少ない。5円」と農家のおじさん。がっかり。翌日もう1回チャレンジした。これでもかとギュウギュウ鍋に押し込んで持ち込んだら、今度は10円もらえた。草むしりに時間がかかり、子どもながらかなりのハードワーク。それ以来ハコベを売ることはなかった。

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ウシハコベ。小さい花が可憐

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ウシハコベ

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ミドリハコベ。葉や茎に毛が生えていて触るとフワフワと柔らかい

ウシハコベ(左)ミドリハコベ(右)_IMG_8582_200322.jpg
ウシハコベ(左)。ミドリハコベ(右)。撮影協力I井さん

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