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シノダケ・ヒンメリ17 正6面体の作り方 その1 [シノダケ・ヒンメリ]

本場フィンランドのヒンメリの基本の形は「正8面体」(下の図)だと思われるのですが、シノダケ・ヒンメリでは、むしろ部材の強さ(壊れにくさ)の力が発揮できる「筋違い入りの正6面体」ではないかと想っています。今回は、この「筋違い入りの正6面体」の話しを少し詳しくしてみたいと思います。

正8面体.jpg
正8面体

「正6面体」(下の図)は、いわゆるサイコロ(賽子)なので6つの面で出来ています。お馴染みのサイコロには、1から6の数の点が書いてあります。生活に馴染みが深く「立方体」とも言われたりしているものでもあります。

正6面体.jpg
正6面体

これは既に書きましたが、「正6面体」は面が四角形で出来ているため辺の部材だけで出来ているシノダケ・ヒンメリでは上や横からの力に簡単に潰れてしまいます。そこでシノダケ・ヒンメリでは筋違いを入れることで三角形が二つの形にして「筋違い入り正6面体」を作っている訳です。したがって、この「正6面体」を作るには、辺の数12本と6つの面に1本ずつ6本の筋違いを用意すれば良いことになります。その筋違いの長さは、辺の長さの1.414倍(=ルート2)になることも分かっています。準備作業がとても簡単です。

でも、ここからが「正6面体」の奥深いところです。筋違いの入れ方によって「正6面体」には何種類かの異形体があるのです。少なくとも、私が作っただけでも4種類はあるのですが、あと幾つあるのか私には突き止められていません。(実は、この異形体が何種類あるのかが分からなくて、この記事が書けなかったのです。そして今もその状況は同じなのですが、話を進めています。・・「正6面体」の数は、シノダケ・ヒンメリにとっては研究課題となります。)
ちなみに、画像の「正6面体」4つは、少しずつ違う異形体です。

筋違い入り正6面体2.jpg
筋違い入り正6面体2

筋違い入り正6面体3.jpg
筋違い入り正6面体3

筋違い入り正6面体4.jpg
筋違い入り正6面体4

従って、「正6面体」を作りましょうといっても、どの形になるか分からないことになってしまいます……。出来上がる形は、指先の加減(?)ということになるでしょうか。

そんな状況の中で「一筆書きで作れる正6面体」があるので、それを紹介します。

図の太い部分を始点★から終点●までなぞってみてください。一本の線でなぞることが出来たと思います。結節点の位置を間違えないように進めれば出来上がります。
(説明上は簡単ですが、作ってみるとかなり混乱します。)

一筆書きで作れる正6面体.png
一筆書きで作れる正6面体

下の画像「正6面体」が完成です。
よく観ると、立体の二つの対角線上の頂点(結節点)から三方向に筋違いが放射状にのびています。
一つの面に注目してみると、四つの頂点に集まっている部材の数が、6、4、4、4となっています。
その底に当たる面で観ると、二つずれて4、4、6、4となっています。
交点(結節点)に集まる材の数が偶数になっているので(=奇数が無いことで)、始終点が同じ「一筆書き」が出来る訳です。

正6面体完成図.jpg
正6面体完成図

まだ「正6面体」の異形体の一個目の紹介だけですが、今回はここでお仕舞いです。
次回も「正6面体」の話しを続ける予定です。この話の行き着く先でとても面白い作品に辿り着くことになります。少し話が長くなりますが、お付き合いください。

≪レシピの例≫
辺の長さ:7センチを12本。
筋違いの長さ:10センチを6本。
  N山さん

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