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タマノカンアオイ(多摩の寒葵) ウマノスズクサ科 -なな山植物誌 [なな山だより]

どことなくヘンな花です。花弁と思われる部分は花弁ではなく、萼が発達してこのような壷形になったものです。もっとヘンなことがあります。ある研究者によると、臭いニオイがするのでハチではなくキノコバエ(全長3mm)がやってくるそうです。キノコバエは雌しべと雄しべのある花の奥深くに入って授粉の手伝いをし、間違えて卵を産みつけます。卵は孵っても成長することはないとのこと。鮮やかな色もよい香りもなく、葉に隠れるような目立たない生き方は、キノコバエを標的に子孫を残そうとするしたたかな戦略のようです。その姿はキノコに擬態しているのではないかとも見られています。
タマノカンアオイの知られざる世界ですね。
 N原さん
                「なな山だより」43号より

タマノカンアオイ.JPG
タマノカンアオイ

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