キバナアキギリ 黄花秋桐 シソ科 - なな山植物誌 なな山だより [なな山だより]
8月末になると夏の花はすでに終わり、一時静かな緑の林床になります。そんな時に西の谷中ほどでキバナアキギリの黄色い花が咲き始めます。あまり目立ちませんが、日本の固有種です。葉は鉾型なのが特徴で、4本のオシベのうち2本は退化して小さく花の奥の方にあります。退化した2本の葯は不完全で、先端がくっつき紫がかって目立ちます。完全なオシベは勢いよく伸び、黄色い葯が飛び出します(写真では見えません)。虫は目立つ不完全なオシベに向かって花の中へ入り葯を押すと、その重みで完全なオシベの葯がシーソーのように下りてきて、虫の背中に花粉をくっつけるという仕組みになっています。退化といっていますが進化かも知れませんね。まだ花が残っていたら、のぞいてみて下さい。
N原さん 「なな山だより」47号より
花の奥に退化した葯がふたつ並んだ点のように見えます。花の外に出ている紫の線はメシベ。
N原さん 「なな山だより」47号より
花の奥に退化した葯がふたつ並んだ点のように見えます。花の外に出ている紫の線はメシベ。
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