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なな山緑地の「シノダケ・ヒンメリ」について その5:「星形」の話 [シノダケ・ヒンメリ]

星形_二十角星_0524.jpg
星形。二十角星

今回は「星形」の話です。
フィンランドのヒンメリ本を観ると下の図のような「六芒星」が紹介されています。

六芒星__0524.jpg
六芒星

これを参考に日本でおなじみの「五芒星」を作ってみました。
最初は、辺の長さを同じにしたものをつくりました、少し角の取れた星「太っちょ星」が出来上がりました。星を構成する辺の長さが同じなので作るのが簡単です。

五芒星_太っちょ星_0524.jpg
五芒星。太っちょ星

一筆書きで描ける五芒星を作るには、六芒星と異なり突起状の辺の長さを変える必要があるのです。シノダケ・ヒンメリでは、作図して1.618倍の部材にしました(部材のカットの誤差を考えると、かなり適当な寸法でも五芒星になります。数学が得意な人は計算で答えを求めてください)。下の様なものが出来上がりました。

五芒星_スッキリ星_0524.jpg
五芒星。スッキリ星

ここまでは平面的な星なので、シノダケ・ヒンメリでは、正多面体を核にして立体的な星の形を目指して作品を作ってみました。ここでは、構成されている三角の面(正六面体は四角の角(つの))から辺の長さの二倍程度の部材で突起状に角を出しました。
正四面体、正六面体、正八面体とそれぞれにユニークな形になりました。
正四面体は、波打ち際に設置されている防潮ブッロックのような、或いは撒き菱のようです。「四角星」と言うより星の赤ちゃんのようです。

四角星_赤ちゃん星_0524.jpg
四角星_赤ちゃん星

正六面体は、三方向に角を出す「六角星」です。横から観ると十字星とも言えます。少し星のように見えてきました。

六角星_十字星__0524.jpg
六角星。十字星

正八面体は、「八角星」になります。これは後で説明する「(正)八角星」のお友達ということになります。六芒星を立体化したようにも、四角星が二つ交差したようにも見えます。

八角星__0524.jpg
八角星

最後に、同じ理屈で、正二十面体も作ってみました。
「二十角星」といっても好いと思いますが、これは私のちょっとした「お気に入り」です。フォルムがキレイで、下の図のようにすると机上でも安定しています。このブログの最初の図も「二十角星」です。これを眺めていてると、内部構造に「五芒星」を発見することが出来ます。目を凝らして見つけていただけると嬉しいです。結果からいうと、正二十面体の辺の長さに対して突起が1.618倍の長さで出来ていることになります。

二十角星__0524.jpg
二十角星
(なんだか、シノダケ・ヒンメリの愉しみ方が分かって来ませんか?)

最後に「(正)八角星」の話しをします。

(正)八角星_0524.jpg
(正)八角星

この「(正)八角星」は、正四面体を8個繋ぎ合わせて作ることができます。
でも、このようにも説明できます。最初に「正8面体」を作り、4つの角を出し分節した「正4面体(三角錐のようなもの)」を作り、更に残った4面に角を出すことで出来上がります。別にこんな言い方も出来ます。「上と下から正4面体を交差貫入して途中で止めた形」です。下に三段階の図を示します。

正4面体_1__0524.jpg
正4面体_1

正4面体_2__0524.jpg
正4面体_2

正4面体_3__0524.jpg
正4面体_3

前回の「球体」が五角形や六角形の面に部材を足して正12面体の凸凹を小さくしていくことで球に近づけようとしました。考えてみると、筋違いを入れた正12面体は「正12角星」でもあったのです。
前回が、三角形を作りながら球体に近づけたのに対して、今回は、正多面体の三角形から逆に突起を出して「星形」を作る作業でした。
シノダケ・ヒンメリではそのどちらも比較的簡単な作業となります。想像力を働かして様々な形に挑戦することが出来、必ず思った以上の出来栄えになるのがシノダケ・ヒンメリの楽しみです。ぜひトライしてみてください。
(中山記)


※読者からのご指摘で、本文内の「1.83倍」を「1.618倍」に修正しました。asimoさん、ありがとうございます。(2019/2/21)


コメント(6) 
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コメント 6

asimo

最近、ヒンメリの事を知りました。
記事の中にある二十角星はとても綺麗で、作ってみたいですね。
とりあえず、材料の発注したところで、気長にやるつもりです。

ところで、五芒星の説明の中で1.83倍という記述がありますが、これはどの長さとどの長さの比なのでしょうか?
正五角形の辺の長さと、同じ平面内の角を形成している辺の長さの比でしょうか?それなら黄金比の1.618倍になると思うので、違うのかなあとか、よくわからんなあ、、という状態です。

もしよろしければ、お教え願えると幸いです。




by asimo (2019-02-19 22:21) 

Ema-san

asimoさん、コメントありがとうございます。
シノダケ・ヒンメリの作者からコメントへの回答をいただきましたので、掲載します。

私が二十角星と呼んでいる形は人気があるようです。その理由の一つが、形の中にキレイな五芒星を見つけることが出来ることによっていると思います。ここで言う五芒星は、一筆書きで出来る5つの角をもった星状の形を指しています。だれでも、書いたことのある図形かと思います。私の説明にも書いてありますが、定規を使ってこの五芒星を書いてみると、中の正五角形の辺の長さと、角を形成している辺の長さの比率が1.83倍なります。

二十角星の元となっている正20面体は、5つの三角形を正面から見ると5角形です。正20面体の辺に対して1.83倍の突起(角)を出すことで、視覚的に同様の五芒星が見えてくることになっているかと思います。

残念ながら図形の専門家ではないので、それ以上のことは分かりません。なお、サイズを変えて作った場合も1.83倍という数値が有効だったのでこれを採用しています。

なお、コメントの中に、「材料を注文する」とありましたが、当方はシノダケを使って作っており、フィンランドのヒンメリのように麦わらで作るのは難しいのではと思います。
by Ema-san (2019-02-20 15:20) 

asimo

早速の回答、ありがとうございます。

一応、比率の対象は私が思っていたのと同じであることがわかりました。しかし、そうなると1.618倍と1.83倍の違いは何か?です。
1,618は数学的に sin72° ➗ sin36° で求められる数値ですし、Wikiの五芒星の記事にも1.618倍と書かれているので、まずまちがいないかと。
製図の誤差でしょうか?考えてもわからないのであとはおまかせいたします。

材料の話ですが、竹ビーズを発注しています。それ以外に近所の草むらで笹竹を取って作ってみました。案外、いい感じになりました。

ところで1つだけ質問なんですが、材料の篠竹ですが写真では白く写っています。何か処理をして白くなっているのでしょうか、それとも最初から白い竹なんでしょうか?

なんどもすいません。気が向いたらご返事ください。

by asimo (2019-02-21 08:20) 

Ema-san

asimoさんからの再質問に作者から再回答が届きました。


asimoさんご指摘ありがとうございます。

私の図形上の計測でも計算違いでもなくて、単なる勘違いのようです。

数学的な答えである1.618倍が正しいものと思われます。

言い訳のようですが、考えてみると、作品から材の寸法を計る過程で結び目の膨らみや材の太さから間違った数字(値)になったようです。

ただ、想うに、数値上の誤差が視覚的に効果を失うことにならなかった、そういうことかと思います。アバウトな認識で済みません。謹んで訂正します。

質問のシノダケの色のことですが、シノダケは、採取時は竹本来の緑色ですが、ヒンメリ材として処理する過程で洗って日に干すことから一週間ほどで脱色して緑がかった黄色になります。作品として飾っていると更に緑色が抜けて黄色くなります。経年で、麦わらほどではないですが金色に近づきます。
by Ema-san (2019-02-21 19:43) 

asimo

回答、ありがとうございました。モヤモヤが解消してよかったです。
また、竹が自然にいい色になるというのは不思議なものです。

ところで、やっと私も20角星を作りました!
材料はビーズなので限られた寸法しかなく、20面体の辺が20mm、角が30mmで作りました。1.5倍ですがこれでも結構まともに見えました。許容範囲は結構広いようですね。

お騒がせいたしましたが、これにて失礼いたします。
by asimo (2019-03-07 06:08) 

Ema-san

作者からコメントが入りました。

asimoさん、コメントありがとうございます。

本題とは関係ありませんが、シノダケ・ヒンメリで20角星を作ることになったのは、あるお友達が正20面体に等辺寸法での角を付けたものをシノダケで作ってくれたことに始まっています。その人は、ビーズをやっていてビーズで同様のものを作っていたので、シノダケでも作れるだろうとやってみたそうです。

それを私が真似て、その時、角の寸法を変えてみました。それが20角星になりました。そのことから今回、ビーズからシノダケ、シノダケからビーズと繋がったことになります。

シノダケで取り組んでいる他の多面体もビーズで作ることが出来るものもあるのかな、と思いました。

もう一つ、「1.5倍でも結構まともに見えました。」とのことです。第59回の作品は、asimoさんからの指摘がある前に作ったもので、1.83倍を使って作っています。「これも五芒星のように見えるんだよなぁ、」と思っているところです。ご指摘のように「許容範囲は結構広い」のではと思います。

勝手なシロウトの理解ですが、立体的な奥行きのある図形であることも手伝って、視覚に入ってきたものを脳が勝手に図形として「五芒星」を認識しているのではないかと思っています。

つくづく思うのですが、シノダケ・ヒンメリ材は1本1本太さも、上下の太さも、極端に言えば長さも違うので、数学的・図形的な精緻さより創り出す形の面白さを楽しむことで好いのではないかと思うところです。(まったくアバウトでスミマセン。)
by Ema-san (2019-03-07 17:14) 

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