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なな山緑地で活動するということ [プレイバック]

なな山緑地とはこんなところ
多摩市の最も北の部分。2.5ヘクタール強の広さで、南西へと延びる斜面地の北端だ。
古くからの雑木林は多摩市にはほとんど無いが、このような斜面地や市境近くにわずかではあるが残っている。府中市に住む元の山主さんが遺産相続をきっかけに昔ながらの保全を望んで多摩市に約1ヘクタール寄付された。その後、隣接の雑木林を二区画多摩市が買い足して現在の広さとなっている。

緑地を西の山、中の山、東の山と分けて呼んでいるが、その特徴をはっきりということができる。

西の山は落葉広葉樹の林だ。コナラが大勢を占めヤマザクラ・クヌギ・シデの仲間、ケヤキ・マルバアオダモが競って高木となり、林床はキンラン・ギンラン・エビネ・サイハイラン・ヤマユリ等が四季を彩る。中の山は常緑広葉樹のヒサカキ・イヌツゲ・シラカシが優先して林床には草花は少ない。東の山は高木として落葉広葉樹が優先しているが、林床はアズマネザサ(シノダケ)に覆われ、太さ2cm、高さ5mに及ぶものもある。野生動物のタヌキとアナグマに同居させてもらっている。

雑木林の楽しみ方
作業の道づくりから始まり、枯損木・倒木の片づけ、スギ・ヒノキの間伐・枝打ち、林床の草刈、落葉掃き、ヤマザクラ・コナラの不整形木、混在木の伐採、シイタケ・ナメコの菌打等が毎年の作業サイクルとなっている。発生材はすべて緑地内で処理しており、材料としての活用に心掛けている。たとえば、バス通り歩道側の柵。崩れかかる崖地の土留め。作業の道の側木。階段の土留めと杭。休憩用テーブル・椅子・ベンチ。樹木名板。落葉囲いと堆肥づくり。キノコのホダギ。木工材(おもちゃ・道具・小物調理具)、めかい材。薪。樹木の苗づくり。等々あらゆる可能性を追求している。

四季それぞれの表情
〈春〉まさに「山笑う」だ。樹木の芽吹きとヤマザクラの花、日ごとに色合いを変えてゆき深まるみどり。林床に年々数を増す「スプリング・エフェメラル」。
〈夏〉「山滴る」。濃い緑と木立を抜けるそよ風は緑陰の楽園を作っている。昨今、蚊とハチに少々悩まされている。
〈秋〉「山装う」。赤、青、紫、オレンジ、ピンク、茶、白と草木の実と花がなな山を飾る。
〈冬〉「山眠る」。木立は葉を落としひと時の眠りに入る。林床は赤茶に染まる落葉のじゅうたんか掛け布団か。常緑の緑も鮮やかさを捨てて休みに入っている。
こんな林に散策できるささやかな道が程よく配置されている。

これからのなな山緑地
今後のなな山緑地を考えたとき、まずは若返りの時期を何時頃にするか、どのようにするかは大切なことだ。そして、今取り掛かり始めた「めかいづくり」をより本格化すること、アズマネザサの育成の最適な方法を見つけ出すこと。これは第二に考えねばならない。雑木林木工をより盛んにすることも考えていきたい。
「なな山緑地」は、人と緑と生き物の息吹をより高めて、次の世代に引き継いでいくことこそが、私たちに求められている役割なのだと考えている。
   A田さん
   多摩市グリーンボランティア通信「グリーンサークル」17号(2014年12月19日)より

なな山の春.png
なな山の春

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なな山の夏

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なな山の秋

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なな山の冬

活動の様子(ホダギを運ぶ).png
活動の様子(ホダギを運ぶ)

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