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ナラ枯れ感染ほぼ収束 【調査結果報告】 [ナラ枯れ]

なな山緑地の会のみなさん

今年2023年で4年目を迎えたナラ枯れは、ほぼ収束を迎えています。木くずなどのフラスのある木が少なく、全枯れの木も激減しました。ただこの3年間で発生した120本以上の全枯れ木対策は課題になります。

ナラ枯れ感染の推移
2020年発生したナラ枯れは、昨年2022年はピークを迎え274本が感染しました。まだ感染が継続すると予想していた今年2023年は、完全にピークアウトし21本。感染を示すフラスを探し出すのに手間取るほどでした。感染は、西の山から中の山・東の山に移っています。
全枯れ木の累計は121本。感染した翌年にはカビやキノコが発生し、落枝や倒木の危険が高まります。

ナラ枯れ調査集計_1.png
ナラ枯れ調査集計

ナラ枯れ調査グラフ_2.png
ナラ枯れ調査グラフ

ナラ枯れ被害
ナラ枯れの被害木は、コナラとクヌギです。なな山にはコナラが462本あり、感染率は81.2%とほぼすべてが感染しました。全枯れ木は118本、全枯れ率25.5%と、4本に1本が被害にあっています。感染しても4本に3本が生き延びたと捉え直した方がよいのでしょうか。
クヌギの被害は少なく全枯れ9本です。

ナラ枯れ被害コナラ_2.png
ナラ枯れ被害(コナラ)

ナラ枯れ対策とその効果
2年目を前にした2021年と翌2022年、ビニールシート被覆とカシナガトラップ設置のナラ枯れ対策を行いました。対策の効果は我田引水ですが、再感染しても全枯れを免れたと考えています。巨木のご神木を守れたのが何よりです。

ナラ枯れ対策2021年_2.png
ナラ枯れ対策2021年

ナラ枯れ対策2022年_2.png
ナラ枯れ対策2022年

ナラ枯れ感染図
ナラ枯れの感染は、西の山から始まり、徐々に中の山、東の山と広がっていきました。ピークの2022年は全山感染です。

ナラ枯れ調査(2020年)
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ナラ枯れ調査(2021年)
ナラ枯れ調査_2021_1.png

ナラ枯れ調査(2022年)
ナラ枯れ調査_2022_3.png

ナラ枯れ調査(2023年)
ナラ枯れ調査_2023.png

ナラ枯れの今後
ナラ枯れは一度感染すると、木に抵抗力が付き、カシナガの穿孔を免れるといわれています。今年の被害激減から感染はほぼ収束したと思われますが、全枯れ木の対策が焦眉の課題です。2020年の市による伐倒からスタートし、今年からは会による伐倒などの対策を講じていますが、安心して山に入れる状況には当分なりません。常に落枝の危険があり、倒木の怖れもあります。実際、倒木している感染木も発見しています。全枯れ木121本の伐倒を進め、危険を排除する必要があるでしょう。並行して苗木の移植や他の木の間伐といった対策を検討し、ナラ枯れ後のなな山の植生、保全の姿を描いていきたいものです。

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