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なな山の自然の中で [よもやま話]

丁字路の突き当たりのこんもりと茂った木々。春には山桜が淑やかに咲き、雨とともに山が若々しい緑でふくらんでゆく。そして晩秋にはすっかり葉を落とし、ほっそりとした木立が風を受けて揺れる。自宅の窓から四季折々の姿を見せるその林に何とはなしに気を惹かれ十余年を過ごしてきたが、昨年、その林が「なな山」という名前で、ボランティア活動の場となっていることを知った。
ちょうどその頃、私は夏休みの自由研究の助手として、息子に連れられ近所の昆虫の写真を撮り溜めていた。以前から自宅周辺に虫が多いことは知っていたが、撮った写真を図鑑で調べつつ分類していくと、その種類の多いこと。カブトムシやノコギリクワガタといったメジャーどころは勿論のこと、ヤマトシリアゲムシやジョウカイボンなど、今まで名前を聞いたこともなかった昆虫まで、軽く100種を超える種類の虫たちが棲んでいることがわかった。気になって都心の公園でもじっと見てみたが、鬱蒼と大木が生い茂る公園であっても昆虫の数と種類は格段に少なく、改めて多くの種類の昆虫を育む多摩の自然環境の広がりと深さを感じさせられた。そんな折、なな山で活動されているご近所の方とお話したことがきっかけで、昨秋より、なな山の活動に参加させて頂くこととなった。そして、活動にあたっての基礎的な知識や技術を身につけるため、このグリーンボランティア講座を受講するに至った次第である。
本日第4回の講座では、新緑に霞がかる霧雨の中、相田さんのご案内でなな山の植物を見て回り、キンラン、ササバギンラン、エビネ、そしてタマノカンアオイの干し柿のヘタのような珍しい花、その他初めて見る珍しい草花を見たが、何と言ってもキンランである。以前も何度かご案内いただき、山のあちらこちらにキンランがあることは知っていたが、初めて目にするその黄色い可憐な花に一気に魅せられてしまった。気の早い話であるが、もう来年が待ち遠しくてたまらない。自宅からは、その外観しか見ることができなかったなな山であるが、足を踏み入れると、落葉樹中心の明るい西の山、常緑樹が鬱蒼と茂る中の山、そしてアズマネザサの茂みのある東の山と変化に富むなな山を全身で感じることができる。こんなにも身近な場所にこのように多くの景色があるとは思いもよらなかった。昔ながらのなな山を残すために寄付された住崎さんの思いに感銘を受けつつ、登り道下り道、一歩一歩踏みしめた。
  Jさん記 グリーンボランティア初級講座会報「櫟」より

西の山の秋.JPG
秋の西の山

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