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小林健人さん(長池公園副園長)を迎えてなな山緑地自然観察会の実施(2020/2/5) [イベント]

感想を含めて報告します。

N原さんの熱意で、小林健人さんをお迎えしての観察会、短時間参加を含め11人の参加で行われました。

この日、日中は日差しも強く、ほかほか陽気で観察には大変良い気候でした。
この観察会のお知らせで、小林さんを「昆虫の専門家ですが、動植物全般に詳しい方」と案内したのですが、ご本人の自己紹介で、「植物が専門、中でもシダに深い関心を寄せていて、鳥・哺乳動物・昆虫にも関しても詳しい」という事でした。そして「首都大学東京・牧野標本館の加藤先生にはフィールドで指導を受けたりして、それ以来深くお付き合いをしている」とのことで私たちの作った植物標本についてもご存じで、深い関心を示されていました。
なな山の紹介写真パネルを広げ説明している間にも、小林さんの目は、早くも飾られているシノダケ・ヒンメリや、コウヤボウキの箒づくりに注がれています。発生材を処分している土留めに積まれた半腐食丸太へと虫探しに動いて、早速フユシャクガを見つけました。
なな山緑地の活動と豊かな自然に興味深さを感じたようです。

いつものように西の谷から観察開始です。
植物はどうしてもシダに目がいってしまうとのこと。キバナアキギリの群生地は、ミゾシダにも好条件で、この場所のように一緒に生えていることが多い。フモトシダは乾燥地に、オオバイノモトソウも多い。そして、ゼンマイやツクシを考えると分かりやすいが、シダ類は根茎があり、それから出る葉は胞子葉と栄養葉に分けられる。胞子葉は、胞子を付ける葉で上へと伸び、繁殖を進める。栄養葉は、胞子を付けないが、葉を広げて光合成を促進し成長を助ける。
トウゴクシダ、ベニシダの仲間は多い。サイハイラン、エビネの株が多いのも注目された。
葉を落としたコナラの高木の梢に、エナガ、ヤマガラが飛び交う。エナガ5g、ヤマガラ10gの体重。エナガはその長い尾を除けば鳥の中では最小の部類。

西の山に登っていく。
コウヤボウキ、オケラが群生しているのはヤマの良き保全の見本となり、緩やかな南傾斜地が草刈りされていることと、まだ花芽さえつけていない葉から、ニオイタチツボスミレの群生地であることを見抜いていた。
アオゲラを発見。コナラの大木に登ってはつつき、反対側に回ってはつつき、比較的見やすい位置でのアオゲラの行動をじっくりと見ることが出来た。私には感じられなかったが、ウグイスやシロハラの地鳴きが聞こえたそうで、その鳴き声や梢の鳥の声が一瞬騒ぐ時、上空にはオオタカの姿があった事に小林さんは気が付いたそうだ。
ムラサキシキブに比べヤブムラサキが多いのもこの緑地の特徴といってもいいそうだ。
灌木の小枝にいくつかのハラビロカマキリの卵嚢を見つける。

中の谷のワニグチソウは、多摩丘陵では数少ない群生地だ。冬の間に、シノダケ等の草刈りの管理が必要であるとのこと。早速実施したいと思う。ホウチャクソウが群生する場所が、今はセントウソウに覆われている。これも貴重だとのこと。
昼食後、小林さんは一人中の谷のシダ調査に入る。30分後希少種の発見と興奮気味に戻ってきた。コバノイシカグマ・ギフベニシダは多摩市初記録。アスカイノデ・トウゴクシダ・ハシゴシダは多摩市では稀な種である。
このように最後は、シダ植物の奥深さを、じっくり観察する時間となった。これを記録する時点になっては、その区別・見分けは私にはほとんどつかない。

しかし、さすが小林さん。あらためて観察できたすべての生き物をまとめて送っていただいた。今後の貴重な資料となることだろう。
季節を変えて再びこの地へ足を運びたいとも望んでいる。その時を、大いに期待した。
   相田さん

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西の谷奥

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西の山でアオゲラ

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中の谷 シダ観察

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中の谷 希少シダの芽生え(名前は?説明受けたのですが)

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中の谷 美しいシダ(名前は何でしたっけ)

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最後の集合写真

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