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ヒヨドリバナ 鵯花 キク科 - なな山だより《なな山植物誌》 [なな山だより]

初夏になるとヒヨドリバナが広場西の斜面や西の山の東斜面に繁茂します。キク科の多年草です。その中に網目のかかった黄色っぽい葉の一群があります。これはジェミニウイルス感染症にかかった個体です。このウイルスに感染すると、単純にいえば、光合成効率の低下→個体のサイズの縮小→枯死に至る、とのことです。宿主にダメージを与なえながらも、種としての確実な生存を意図するのでしょうか。

このウイルスは752年に孝謙天皇が詠んだ歌「この里は継ぎて霜や置く夏の野にわが見し草は黄葉ちたりけり(黄化している意)」と、その詞書「黄葉せる澤蘭(ヒヨドリバナのこと)一株を抜き取りて……」万葉集(巻一九)によって、夏季なのに黄葉したヒヨドリバナを詠んだ歌として、世界最古の植物ウイルスの記録とされています。千年以上も生き続けているのですから、まさしくwithジェミニウイルスです。不思議ですね。
   N原さん  「なな山だより」50号(2020年10月)より

p.3 (3).JPG
正常なヒヨドリバナ

p.3 (2).JPG
ジェミニウイルス感染症にかかった個体

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