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ナラ枯れ被害が拡大! 昨年の3.5倍! 【概要調査(2021-7-25)】 [ナラ枯れ]

今年もナラ枯れの季節が来てしまった。対策を講じているつもりでも、蓋を開けないと分からない対策初年である。

○まず、カシナガトラップについて
7月11日、トラップに捕捉されたカシナガの数を、青山学院大の学生ボランティアにカウントしてもらった。西の山の南斜面、中ほど、北側の各1本、計3本が対象。当日の早朝飛翔してきてトラップにかかり水面を泳いでいるカシナガだけでなく、水底に沈んでいるカシナガもピンセットで捕まえ、数えてもらった。作業が丁寧なのが嬉しい。
結果は、南斜面114匹、中ほど80匹、北側166匹。3本合計360匹、1本平均120匹。このトラップの構造上、雨で流れてしまいがちなので単純に設置時からの累計ではないが、捕捉できることを確認できた。このあとトラップ設置のコナラがナラ枯れに感染しないことを祈るのみ。

○次に、今年のナラ枯れ調査について
7月25日、今年のナラ枯れ被害調査がスタートした。桜ヶ丘公園や三方の森では、昨年に比べはるかに激しい全枯れ被害を目にしているのがキッカケ(下部掲載の写真参照)。なな山の樹冠をザッと見上げると昨年より少ないと安心していたが、調べはじめるとアゼン!
この日の調査は、全枯れと半枯れの概数を把握するのを目的とした(フラスのみの感染木は次回以降の詳細調査に回した)。半枯れとは、全枯れではないが、このまま経過すれば全枯れになる可能性が大の木。なな山緑地をひととおり10人で見て回った。

全枯れは、16本(西の山7本、中の山4本、東の山5本)。昨年の全枯れは、西の山の6本だけなので、中の山と東の山に被害が拡大し重度化していることが明瞭だ。
半枯れは、5本(西の山3本、中の山1本、東の山1本)。

全枯れと半枯れを合計すると、21本。昨年に比べ3.5倍。この数はザッと見て回った結果なので、このあと詳細に調査すればさらに多くなる可能性がある。2年目は被害範囲が拡大し、被害度が大だ。

○周りながら気がついたこと
1つめは、新成虫の飛散防止のためにビニールシート被覆した感染木のうち3本が全枯れしていたこと。外に飛翔できなかった新成虫が樹木内に戻り、繁殖して被害を拡大させた可能性がある。新成虫が坑から出てシートと樹皮のあいだを右往左往しているのは実際に確認していたが、その後穿孔したのかもしれない。賢いカシナガは飛翔を諦め、樹木内での繁殖を決め込んだ可能性が大だ。

2つめは、クヌギが2本が感染していること(半枯れ)。昨年はコナラのみだった。樹種が増え、気がかりが増大した。

3つめは、穿孔とフラスが地際に近いこと。5~50cmほどが多い。昨年は50~150cmが中心だったので、何か訳があるのだろうか。

ナラ枯れ・全枯れ_IMG_3049_210725.jpg
全枯れのコナラ

ナラ枯れ調査_IMG_3063_210725.jpg
ナラ枯れのコナラを観察

ナラ枯れ・調査_IMG_3088_210725.jpg
ご神木の調査。大径木だが昨年は未感染。ビニールシート被覆+トラップ設置のW予防策を実施した。感染していないようだ

ナラ枯れ・穴確認_IMG_3084_210725.jpg
ナラ枯れの坑を爪楊枝で確認

ナラ枯れ・フラス_IMG_3115_210725.jpg
地際に近い坑とフラス

ナラ枯れ・フラス_IMG_3078_210725.jpg
地際に近い坑とフラス

ナラ枯れ・白カビ_IMG_3110_210725.jpg
白カビが出た昨年の感染木。今年は全枯れ

ナラ枯れ調査_2021-07-25.png
ナラ枯れ調査結果(2020年~2021年7月25日)

ナラ枯れ・三方の森_IMG_3127_210725.jpg
三方の森。全枯れがあちこちに展開している

ナラ枯れ・三方の森トラップ_IMG_3130_210725.jpg
三方の森で発見したなな山と同型のトラップ。多摩市役所が設置したのかも。ビニールシート被覆とトラップは永山南公園でも発見し感動した

ナラ枯れ_桜ヶ丘公園_IMG_3137_210731.jpg
桜ヶ丘公園のナラ枯れ。紅葉が始まったかのようだ

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