SSブログ

アフターナラ枯れの話をしました 【ナラ枯れ情報交換会の報告】(2021.9.20) [ナラ枯れ]

なな山緑地の会のみなさん

9月20日、森木会「ナラ枯れ情報交換会」がZoomミーティングで開催されました。
森木会の各団体に加え、オブザーバーとして永山南公園きりんの会と長池里山クラブが参加しました。

各団体のナラ枯れ状況が報告され、一様に昨年より激しい被害にあっています。ナラ枯れ対策も各団体が工夫を凝らしており、成果が上がっているようです。まだ9月なので10月頃まで様子を見て、今期の被害がある程度確定するのでしょう。

各団体で「全枯れ」や「枯死」「赤枯れ」などと被害を表す用語にバラツキがあり、情報を統一的に見るときの障害になっていました。この用語の統一についても提案があり、大筋了解され、扱いを含め今後を森木会で検討することになりました。

なな山緑地の会の被害状況は、先日メールでお知らせした内容です。
この報告に加え、個人的な意見として「アフターナラ枯れ」と題して今後について発表しました。このアフターナラ枯れの内容はまとめるのに手間取りそうなので、被害レポートを先にお知らせした次第です。

アフターナラ枯れ.png

まず短期的な話です。
ナラ枯れは、コナラがほぼ感染してしまうと収束しますが、その期間は5年ほどでしょう。長くて10年です。感染のピークは2~3年目。なな山は今年2年目なので来年も激しい被害が想定されます。収束時の全枯れ数は、多めに見てコナラ100本。これを放置したままにすれば、5~10年で約50%のコナラが倒伏します。この危険を回避するため伐倒することになります。この伐倒本数は1年あたり10~20本。現状からでは考えられない作業です。このため全枯れ数を抑える対策を今後も続けていく必要があります。でも、コナラの伐採は避けられません。

で次に、長期的なことです。
コナラの寿命は80年ほどです。なな山のコナラは多くが50~60年です。つまり、20年ほどで寿命を迎え、倒伏するものが現れます。これを放置すればコナラ林は常緑広葉樹林に遷移するでしょう。落葉樹林が作り出している多様性豊かな植生、特に西の山は低木の常緑樹が繁茂する山に変貌する可能性があります。

これらのことから問いかけられているのは現在のコナラ林をどうするかということです。会創設以来18年かけて作り出してきた植生豊かな自慢のコナラ林が変わろうとしています。樹齢20年弱のコナラなら伐採してヒコバエから更新することが可能ですが、大径木のコナラはヒコバエが生えません。苗も日照不足のため数年で枯れてしまうようです。間伐ではコナラ林の更新は困難でしょう(とはいえ、成算がないかも知れませんが、可能性を排除せず色々試してみたいです)。

なな山は、多数のコナラの伐採が控えています。コナラ林として更新するのであれば、方法のひとつとして「小面積皆伐」を検討してみたいです。最低20mほどのエリア内の樹木をすべて伐採し、草地に苗を植樹します。数年ごとに隣地を皆伐していき、コナラ林全体を若返らせる方法です。

以上、こんな方法をたたき台として検討していただければ幸いです。
よろしくお願いします。

コメント(0) 
共通テーマ:地域

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。