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なな山植物誌 - クロヤツシロラン(黒八代蘭)ラン科 - なな山だより [なな山だより]

なな山緑地にその存在はわかっていても、花を見たことがない植物がありました。2018年の11月に中の谷の枯れ葉の中からヒョロヒョロとした茎の先にさく果(種)をつけたものをNさんが見つけたのが最初。それが菌従属栄養植物のクロヤツシロランでした。 

自分で光合成せず地中の菌類から栄養をとって生活する植物です。それから、夏の終り頃になると皆でアズマネザサの生えている枯れ葉の重なった土の上を手さぐりで探すのです。花が見つけられずに秋を迎える頃、また例の茎がヒョッコリ姿を見せて来ます。

「花が見られなかった!」2回の残念な秋を過ぎ2021年9月21日。午後の光が林床に届く時間帯、他の植物の名札をつけに中の谷を歩くと、枯れ葉の上にスポットライトを浴びたようにクロヤツシロランの花が見えました。枯れ葉と同じような色合いで肉厚な感じです。「なんだ。ここにいたの!」蚊柱の中であわてて支柱を立てた次第。3~4日して花はとけるように消えて、3週間後にはまたさく果をつけた茎が伸びてきました。
秋の終わり頃、さく果が割れて細かい種が風に飛んでいきます。(M倉)
   「なな山だより」54号(2022年1月)より

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クロヤツシロラン N黒さん撮影(2021.9.22)

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