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セイタカアワダチソウ-なな山の植物誌 【なな山だより】 [なな山だより]

セイタカアワダチソウ
背高泡立草 キク科

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セイタカアワダチソウのロゼットと地下茎(標本)

ロゼット状の植物標本を作ろうと思い立ち、昨年の新年早々、近くの空き地を探しました。草本は冬を越すために背を低くし、葉を放射状に広げて冷たい風を避け、光を受けています。この形がバラの花を思わせるのでロゼットとかロゼット状と言っています。チチコグサ、アメリカフウロ、アキノノゲシ、セイタカアワダチソウなどなど、どこにでもある草ですが、集めてみると多くが外来種でした。その中の横綱ともいうべきはセイタカアワダチソウでした。

1月初めに採取し(前年の秋からロゼット状になっています)、開花は10月末で、私が採取したロゼットの中では最も開花の遅い植物でした。その間約1年、光合成をしてせっせと養分をため込んでいたんですね。あの猛々しさ、繁殖力の凄さの秘密はそんなところにあるのかも知れません。その上、成長したセイタカアワダチソウの葉の数の多いこと、螺旋状にびっしりと着いています。ここでもせっせと光合成をして花を咲かせ種を育てているんですね。どんな環境でも生き抜く意志が見えるようです。

悪評高きセイタカアワダチソウですが、ここしばらくは姿をひそめています。必要な養分を取り尽してしまったとか、根から分泌する毒性物質による自家中毒とか。
驕れるもの久しからずですね。
   N原さん

57号植物誌掲載用PA050136_640.jpg
螺旋状に葉を着けるセイタカアワダチソウ(標本)

N原さんの植物誌は今回までです。N原さんは植物に造詣が深く今なな山のバイブルになっている「なな山の植物」を編纂、2015年にはプロジェクトを立ち上げ382点の植物標本を牧野標本館に収められました。また初代畑部長を務め、2012年から5年間「なな山だより」の編集担当、さらに当会創立15周年の記念誌を作成されるなど多大な貢献をされました。伊豆に転居されてからも「なな山植物誌」を投稿頂きました。感謝いたします。
次回からは植物に詳しい方々が投稿されます。ご期待ください。

これまで執筆いただいた植物
42号 オオイヌノフグリ
43号 タマノカンアオイ
44号 ジュズダマ
45号 シュンラン
46号 ホトケノザ
47号 キバナアキギリ
48号 ヒイラギ
49号 ヤマコウバシ
50号 ヒヨドリバナ
51号 フキ
52号 なな山のヤマアジサイ
53号 タイアザミ
55号 ヨモギ 他

57号植物誌オオイヌノフグリPB050104.JPG
オオイヌノフグリ

57号植物誌タマノカンアオイP4030006.JPG
タマノカンアオイ

57号植物誌シュンランP3110007_640.jpg
シュンラン

57号植物誌ホトケノザP2220008.jpg
ホトケノザ

57号植物誌キバナアキギリ_640.jpg
キバナアキギリ

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