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アンコールワット - なな山だより リレーエッセイ [なな山だより]

部屋を片付けていたら、期限切れのパスポートがでてきた。証明写真の自分があまりに若すぎてビックリした。懐かしくなってパラパラとめくっていると、大きなスタンプのついた観光ビザが目にとまった。わざわざ在日大使館に行って取得したカンボジアの観光ビザだったが、結局行くことができなかった。

以前勤めていた職場に旅好きな同僚がいた。あちこち旅に行っては土産話を聞かせてくれた。近場のアジアを旅行したいと考えたていた私は、どこかお勧めの観光スポットはないか尋ねてみた。東南アジアにも詳しかった同僚のお勧めが、カンボジアの「アンコールワット」で、絶対に行くべきだと教えてくれた。

「アンコールワット」は、カンボジア北西部の森林地帯に広がる巨大仏教遺跡群のひとつで、カンボジアの象徴として国旗にも描かれているほど有名な世界文化遺産。12世紀に創建されたアンコール王朝の王都にしてヒンズー教の寺院である建物には、美しい壁画や彫像が施されており世界中の人々が訪れるという。何度か行ったことがあるという同僚の情報量に圧倒された私は、本屋さんでガイドブックを購入、とりあえず航空チケットとホテルを予約してしまった。朝焼けのアンコールワットは絶対に見る、タプローム(樹木に飲み込まれた建造物)や他の遺跡もたくさん回りたいからトゥクトゥク(三輪タクシー)を1日チャーターする、ローカルエリアのお店やレストランに行く、現地の人とも交流したいからクメール語(カンボジアの公用語)の簡単なあいさつは覚えよう、あれやこれやと準備段階からワクワクが止まらなかった。

一緒に行く予定の友人から、仕事の都合で行くことが出来ないと連絡が入った。出発まで2週間を切っていた。日本からカンボジアへの直行便はなく乗り継ぎ時間を含めると所要時間は10時間以上、現地ガイド付きとはいえ、一人で旅する勇気がなかった。行こうと決めてから断念するまでの感情がジェットコースターのようだったなとパスポートを見て笑ってしまった。

今は、おうちにいながらリアルタイムで旅先の景色や体験を共有する「オンライン体験ツアー」もできるようになった。旅のチャンスはまだまだある。
   F嶋さん

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アンコールワット

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