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現代の里山さがし -「グリーンサークル」から [よもやま話]

「多摩市に里山があった!」なな山のポスターのキャッチコピーである。では、なな山緑地は、今どんな里山なんだろう?そんな視点でなな山を紹介してみたい。

里山としてのなな山は、薪炭林であり落ち葉から腐葉土を作りと農家の生活を支える役割を担ってきた存在である。しかし今、その役割の多くを失っている。なな山を里山というには現代の我々の生活の中で新たな役割を得る必要があるのではないかと考えている。

なな山は、住まい(里)に近いことから、便利な位置にある。立地は好い。住宅地に囲まれていながら、一度山に入ればその景色は自然を身近に感じさせてくれる樹林に覆われている。なな山を巡ると景色に変化がある。冬の西の山は、コナラ、ヤマザクラなどの落葉と下草刈りにより創り出される風景がある。谷状地に植林したスギ・ヒノキの針葉樹との対比も出来る。中の山の雑木林は、樹種も多く、ヒサカキ・カクレミノなどの常緑樹があり風景の濃淡が深い。東の山は、シノダケ林の間伐を進めて来たことから清々しい風景となっている。場所毎に季節の変化があり緑地内を巡ること自体が楽しい。

なな山では「なな山の植物」という小冊子を作っている。山野草の種類が豊かだ。春になれば、日替わりに様々な山野草が咲き、日々の変化に触れることが出来る。冬には、実を付けるものも多い。観察していて飽きることがない。

しかしそれだけでは、里山とはいえない。里山の恵みを生活の中に取り込めないかと考える。
西の山は、これからのシーズン子供たちの声がこだまする。草刈りをした後の落ち葉の積もった山の斜面をソリ滑りしてシガラに突っ込む。小学校の恒例行事になっている。
なな山では定例活動日に加えて火曜日に木工クラブの活動を行ってきた。木工の他に最近チカラを入れているのがシノダケ・ヒンメリ作りとコウヤボウキを使った箒づくりだ。いずれも徐々にだがファンが増えている。クラフト系の作業も里山の恵みを生かす活動と考えて取組んでいる。

なな山には畑がある。里山の恵みである腐葉土による無農薬・有機農法を続けている。実生から育てたクヌギ・コナラなどの苗の育成もしている。環境教育の場に活用できるに違いない。
里山の活動といえば伐木と草刈りがメインである。毎年繰り返し作業が必要である。なな山には手つかずの場所もたくさんある。今年は大学生が手伝いに来てくれた。山に入って作業をして汗をかくことは楽しい。里山での作業を気軽に一日体験で楽しんでもらえないだろうか。

今年なな山では、どんと焼のあんこ(燃え草)として伐木した丸太を提供し、青少協のみなさんと薪作りをした。これまでも多摩めかいの会の材料のシノダケ採取の場所としてなっている。地域との繋がりもある。使われてこその里山である。
現在も里山さがしは続いている。
   N山さん

2023-02-09_活動紹介.png

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