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密やかに春を告げるシュンラン [よもやま話]

春なな山人の口々にのぼるシュンラン。群生するランの葉を見ていたが、花は見たことがなかった。「咲いた?」と尋ねると「きれいに咲いていた」と案内してくれる植物博士のI井さん。中の山奥のいつもの場所に密やかに咲いていた。上からは「?」とわかりにくいが、腰をかがめて根元から覗いてやっと気がつく。透き通るような薄緑の小さい葉を広げる。前日の雨で濡れた肌が陽射しを浴びて輝く。小さい帽子に守られた顔は平安の姫のように窺い知れない。花屋に並ぶ花とは異形。
シガラの片付けをしていると大声で呼ぶ声が。「さっきのよりスゴイ!」と植物保護士のY元さん。「1株に15も花をつけている!」と記録更新に興奮気味。「きれい! 春を告げる花ね」群生の美しさに声がうわずる。このあと22も付けた群生を発見してテンションは上がりっぱなし。

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