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ヤマコウバシ 山香し クスノキ科 - なな山だより《なな山植物誌》 [なな山だより]

なな山の中の谷入口右側にヤマコウバシの木があります。クスノキ科ですから葉をちぎると良い香りがします。また春まで葉を落とさないので、冬の雑木林ではよく目立つという特徴があります。3月末、暖かさが感じられる頃、ヤマコウバシは葉の展開とともに黄緑色の小さな花を咲かせ、5月頃になると実が黒く熟します。ところがヤマコウバシは雌雄異株で、雄株は日本にはないとのことです。なな山のこの木はもちろん雌株ですが、花が終わると結実します。花に袋をかけたり、メシベを取り除いたりして雌株に花粉がつかない状態にして実験した結果、単為生殖であることが判ったとのことです。要するに受粉をしないで、子孫を残すのです。動物ではよくあることのようです(アリ、ミツバチ)が、植物ではセイヨウタンポポやドクダミが単為生殖とのことです。
進化の過程で獲得した独特の生き方をする植物ですから、大切にしましょう。
   N原さん   「ななやまだより」49号(2020年5月)より

ヤマコウバシの花.jpg
ヤマコウバシの花

ヤマコウバシの実.jpg
ヤマコウバシの実

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