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七夕、織姫と彦星の仲を割いたのは、天帝・黄帝のどっち? [よもやま話]

七夕といえば、織姫と彦星の物語ですが、どんなストーリーか覚えているでしょうか。夏の夜空に輝く星たちのロマンスですね。

天ノ川の側にいた織姫は、機織りの名人。父親の天帝が結婚相手として探し出したのが、働き者の牛使い・彦星でした。結婚したところ、仲が良すぎて仕事をしなくなってしまった。これに怒った天帝が天ノ川の両岸に引き離してしまう。悲嘆に暮れた二人を見て、不憫と一年に一回会うチェンスを作った。その日が七月七日です。天帝が非を改め、一緒にさせればめでたしめでたしで収まるのですが、頑固者ゆえ二人を許さなかったという罪作りな物語です。

一年に一回会うとはいかにもロマンですが、実はかなりハードです。織女星(ベガ)と牽牛星(アルタイル)の距離は14.4光年あります。7月7日に会うためには、7月8日にお互いがヨーイ、ドン!とスタートして、光速の7.2倍のスピード(時速78億km)で走ってやっと巡り会えるということです。1年中超高速で走っているので、機織りや牛飼いといった仕事などしている余裕はありません。会うために1年中走っていることになります。

この物語は中国から入ってきたと伝えられていますが、実は、中国統一の秘話につながっているという説があります。当時の中国には黄河流域に麦作農業の黄河文明と、もう一つ長江(揚子江)流域に稲作農業の長江文明がありました。世界最古の四大文明の黄河文明はよく知られていますが、長江文明は知られていません。それもそのはず、4200年ほど前に黄河文明の黄帝(三皇五帝のうち五帝の最初)が長江文明は滅ぼし、中国を統一しました。このとき稲作文明の側にいた彦星は水牛を使う農夫で、その妻で機織りをするのが織姫でした。戦争に敗れて織姫を北方の黄河流域に連れて行かれた彦星が一年に一度でもいいから会いたいと願い、それが伝説となったという話です。滅びた稲作文明の農民は海を渡って日本に渡来し、稲作を広げたという話に発展します(梅原猛『人類哲学序説』)。

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