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受難のサイハイラン、一同、心して守るべし! [よもやま話]

西の谷奥にひっそり自生していたサイハイラン。密林のような雑木林には、ほとんど足が入らず静かに密かに群生していた。山の斜面から陽を求めてさらに傾いたヤマザクラが倒れたら危険と、今年の冬伐倒した。見れば枯れつつあるヤマザクラやコナラが次々と目に付き、さらに数本伐った。だいぶ手が入っていなかった領域なので、いわば「荒れ放題」だった。この伐倒でサイハイランやエビネなども影響を受けたが、その都度整備していた。伐倒して片付けが中途半端のまま昼休みに入ると、N原さんやI井さん、Y元さんなど植生保護メンバーの女性陣がお昼をそこそこに貴重な植物の囲い作りに向かっていた。

手入れした西の谷はその姿を少し変えたが、サイハイランやエビネの群生は残っていた。長池公園園長の内野秀重さんを迎えた植物観察会(2017-05-29)では、サイハイランの群落を見て「こんな大群落は見たことがない」と内野さんの感嘆の声が上がった。ヤマザクラが切られ通路が広くなったため、陽当たりのよい所ができ、陽当たりの善し悪しによって花の色がだいぶ異なっていた。
「内野秀重さんを迎えてのなな山植物観察会」(2017-05-29)

6月末、斜面に立つ3本立ちのヤマザクラがやはり危ないと伐ることになった。密生しているため、ほかのヤマザクラやコナラも4本まとめて伐ることになる。西の谷奥は、倒れた巨木でジャングルのよう。当然サイハイランの群生も甚大な被害。これを片付ける人の足も入り、湿地はぐじゃぐじゃになった。この惨状に高木さんから声が上がった。「一同で片付け、サイハイランの群生を守る!」。4本の倒木を蒸し暑い中みんなで片付け、現れたサイハイランの群生地を囲う。巨木が倒れる密林が、短時間で手入れされた雑木林に戻った。きっとサイハイランが蘇るはず。

サイハイラン.JPG
サイハイラン。サイハイは「采配」に似ていることから名が付いたようだ。采配は、戦場で大将が群生を率いるために振った指揮具。白紙を細く切って房を作り、柄に付けたもの。

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サイハイランの植物標本。記事は2017-01-13

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