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なな山緑地の会の紹介 - 「グリーンサークル」38号から [よもやま話]

先輩たちが「なな山緑地の会」を立ち上げてから今年で17年になります。私は「グリーンボランティア講座初級」を修了した2014 年の秋になな山に入会したので、今年で六年目になります。なな山緑地の地形的な特徴や季節毎の植生等の全般的な事は、既にグリーンサークル17号*1で紹介されています。それから約5年経ちますが、植生などに特に大きな変化はありませんが、間伐などの手入れと散策路が追加・整備され、より広い範囲を観察できるようになりました。
例えば、薄暗く立ち入りが難かった西の谷の奥は間伐で林床に陽が差し込み健康的な明るさになり、今迄見えなかった植物が多く観察できるようになったばかりでなく、不法投棄のごみの投げ入れが少なくなりました。
東の山の篠竹の藪を通る散策路が整備され、メカイやシノダケ・ヒンメリ等の材料供給地となっています。良い篠竹を育成するため、間伐の方法を変えて数か所の区域で育成テスト中です。
又、なな山には里山の環境保全と直接結び付く活動以外に、関連ある多くの活動をしている事が関係者を惹きつける魅力の一つと思います。その幾つかを紹介します。

西の谷の奥 3 間伐で林床に陽が射すようになった.jpg
薄暗かった西の谷の奥は間伐で陽が差す様になった

コナラ・クヌギ・ヤマザクラ等の伐倒
なな山緑地は2.5ヘクタールの内にある斜面地を西の山、中の山、東の山と分けて呼んでいますが、非常に多くの草花や樹木があります。西の山はコナラ、クヌギ、ヤマザクラ等の落葉樹の15~20mを超える高木が多く、台風や雪で折れ枝が垂れ枝になる事が少なくありません。このような危険な木を含め、シーズンで10本位の木を伐倒する機会があります。掛かり木になり苦労する事も有りますが、大きな木が倒れる瞬間の感動と醍醐味を味わうことができます。なな山ではセミプロの木こりの様な会員の技術指導の下で安全に伐倒できる事が強みと思っています。

植物標本活動
植物に詳しく愛着を持っている会員が多くいます。2016年4月より始まった「なな山緑地植物標本プロジェクト」は首都大学東京(現都立大学)牧野標本館の加藤英寿先生の指導のもと、緑地内に生育する全植物の標本を作製し、牧野標本館へ寄贈する事を目指して行われました。 寄贈点数は382点になりました。寄贈した標本の中から50点を展示する植物標本展を、2018年11月に牧野標本館との共催で開催しました。これらの標本はブログで順次紹介されています。

シノダケ・ヒンメリ*2
「ヒンメリ」は麦わらで作った北欧フィンランドの伝統的な装飾品ですが、なな山では素材を麦わらではなく、細い篠竹で作るので「シノダケ・ヒンメリ」と名付けています。
なな山の会員が作品の創意工夫に励む傍ら、ブログでの紹介や市内で開かれるワークショップを通して広く一般市民にもその普及を図っています。

東の山 アズマネザサ 1 育成中.jpg
アズマネザサの育成中

なな山のブログ
(https://nanayamaryokuchi.blog.ss-blog.jp/)
会員以外の閲覧者数がこの種のブログとしては、非常に多いと担当者から聞いています。昨年の投稿数を振り返ると、平均17回/月(2日に1回のペース)で更新されている事が魅力の一つかもしれません。
なな山緑地の会の定例活動日は2回/月ですが、有志参加のなな山木工クラブの活動、多摩めかいクラブ、シノダケ・ヒンメリの活動のほか、小学校・高等学校・大学などの教育機関、各種団体の学習・体験・観察のフィールドとして活用される内容が逐次投稿されるので、幅広く新鮮な記事が注目されていると思います。
   宮﨑 裕

*1 グリーンサークル17号 2ページ
 「なな山緑地で活動するということ」相田 幸一氏 著
*2 グリーンサークル37号 1ページ
 「多摩発『シノダケ・ヒンメリ』の話」中山 茂樹氏 著

グリーンサークル38号.jpg
多摩市グリーンボランティア通信「グリーンサークル」38号(2020年6月1日発行)
http://www.keisen.ac.jp/tglc/gv38.pdf

※ブログ掲載にともない誤字脱字等を修正しました。(S子)

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