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フキ 蕗 キク科 - なな山だより《なな山植物誌》 [なな山だより]

なな山の広場、ウメの木の下にフキノトウが顔を出します。フキノトウはフキの花芽、貴重な春の味なので、なな山では観察する間もないかも知れません。フキは雌雄異株です。苞が開くと中にはたくさんの小花が並んでいますが、その中のひとつの花をよく見ると、雄株の花の花弁は5裂した両性花です。両性花ですからオシベもメシベもありますが、花後に背は伸びても結実せずに枯れます。雌株の花はほとんどがオシベのない花なのですが、花の中央に雄花と同じ形の花が2、3個潜んでいます。この2、3個の花には花粉ができないそうです、昆虫を呼ぶためのおとりのようです。虫を騙して受精した雌花は5月頃になると背が一気に伸びて綿毛が発達し種を飛ばし繁殖します。また雄株も雌株も地下茎が発達していて、その先に芽を付けるので繁殖力は旺盛です。人間に食べられてしまうことを見越しての繁殖力なのでしょうか。
   N原さん 「なな山だより」51号(2021年1月)より

植物誌 フキ雄花P.1.jpg
雄花(両性花):5裂した花弁からメシベが出ている

植物誌 フキ雌花P.1.jpg
雌花:雌花の中には雄株と同じ形の花が潜んでいる

写真は「松江の花図鑑」より

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