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タイアザミ - なな山だより 《なな山植物誌》 [なな山だより]

タイアザミ 大薊 キク科 (別名 トネアザミ 利根薊)
キクの季節です。なな山では中の山の東中腹にタイアザミ(トネアザミ)の一群があります。

アザミの仲間は、花全体が筒状花でできています。その先端(雄しべ)に白い花粉が点々と着いているのをよく見かけます。アザミ属の雄しべは濃紫色の筒状で、その中に雌しべが入っています。虫が雄しべに触ると、その刺激で雄しべの花糸が縮み、中の雌しべによって白い花粉が押し出されるのです。この時は雄性期なのでまだ受粉はできません。花粉が虫に食べられたり運ばれたあと、白い節のある雌しべがのびて雌性期に入り、受粉できる状態となります。雄性先熟です。小さな一本の筒状花の中にこんなに巧妙な仕掛けがセットされているのです。昆虫のふりをして指先で花粉の出ていない筒状花を触ってみて下さい。しばらくすると花粉が出てきますよ。
   N原さん
   「なな山だより」53号(2021年10月)より

p3_タイアザミ.jpg
花粉が押し出されている雄性期のノハラアザミ。

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雌しべが出ている雌性期のタイアザミ。

p3_花粉を押し出す仕組み.png

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