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なな山の保全活動、新年行事「山初め」について [よもやま話]

なな山緑地の会の活動記録でも「山初め」の神事について報告しましたが、今回は少し詳しくお知らせしよう思います。

■「山初め」とは
古来より雑木林は、生活林として、地域に暮らす人たちの生活に欠かすことが出来ないものでした。
住居・家具・生活の道具の木材利用として、燃料・エネルギー源の薪・炭として、食糧・農産物生産の基本的な肥料・堆肥作りの落ち葉の利用として、そして心の癒しや拠り所として等、その存在価値は計り知れないものがあります。

現在は、その存在価値が希薄になっていますが、なな山緑地の会では、雑木林の本来的は姿形・役割を引き継ぎ、育んできた文化も含めて将来につなげていく活動を、微力ながら継続しています。その中で、新しい年の初めの活動時に、「山初め」の儀式を行っています。

雑木林を人々は単に「山」と呼んでいて、山を敬い、山での仕事の安全を願い、山の恵みを頂くために、新たに仕事を進めるとき、山で仕事始めの際に行う神事を単に「山初め」といいます。
生活材の場であった時代は、山仕事は主に秋から春の初めごろまで行われたため、新年に限るものではありませんが、なな山では、正月明けの最初の活動日に行うこととしています。

■準備
山の中心になる辺りの中心になる樹木を「ご神木」と定めます。
この木に、しめ縄を巻き、偶数本の紙垂(幣束とも言います)を下げれば、その木に山の神が降臨します。

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お神酒・お米・塩を供え、ノコギリ・鎌・鉈などの刃物(今風ではチェーンソー・刈り払機など)もお供えして準備完了です。

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準備の様子と神事に参加した面々

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ご神木にしめ縄を巻き、ご神木の周りに山仕事の道具を並べました。

この儀式では、働く山の無事を願うとともに、働く人たちの安全と地域を含めた関わる人々すべての無病息災を祈願します。

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*なな山でのお酒(お神酒)は、多摩の地酒「原峰のいずみ 純米吟醸」(多摩市内の湧水と多摩の水田で収穫されたお米を多摩自慢の醸造所「石川酒造(福生市)」で精米、仕込んだもの)を使いました。

■山初め
拝礼は、多摩地域の習わしでは、「三回の手ばたき」を行ったとありますので、現在の一般的な拝礼に則りながら、「拍手の三回うち」を取り入れています。
それで、二礼 三拍手 一礼(二拝 三拍手 一拝とも言います)を行います。

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山初めの伝統にそって「二礼 三拍手 一礼」により祈祷の様子

拝礼の後、年男年女がお神酒・お米・塩を東西南北に散布して、山全体を清めます。
これで儀式は終了します。

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年女年男3人が山を清めているところ

なな山では、A田さんから段取りの説明があり、無事に神事を執り行うことが出来ました。
冒頭にあった「山初め」の由来にも触れ、更に、継続することの大切さを感じました。

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A田さんから段取りの説明の様子

最後に、お神酒を頂き、参加者全員で山を守っていく気持ちを確認しました。
これからもこのような行事を引き継いでいきたいと思います。

お神酒をいただく.jpg

   記事作成:A田さん、写真撮影:K田さん、文責編集:N山さん

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