SSブログ

樹木調査のデータが復活しました [よもやま話]

2014年から2016年にかけてなな山全域で行われた樹木調査のデータが復活しました。

ナラ枯れでコナラが病に罹り植生にも影響が出るとの話から、コナラの分布がどうなっているかとA田さんに尋ねたところ、樹木調査の結果が参考になるとの返答。探したところ、印刷物が見つかりました。

樹木1本1本の属性を記した60ページに及ぶ調査表と、樹木番号を付記してマッピングした樹木分布図。3年かけた集大成は素晴らしい内容でした。この情報は生きたデータとして活用できます(ナラ枯れ分布図など)。しかも10~20年先も植生変化などを知る手がかりになります。データとして残さなくては作った甲斐がありません。

元データを探しましたが見当たらず、印刷物ではデータ処理には不適と思い、元のデータを復活することにしました。

Excelの調査表は、その後森木会に保管されていたデータをいただき、作業は少し楽になりました。実はそのときすでにスキャニングしてデータ化した後でしたが。

樹木分布図は、サイズがA3と大きく、しかも印刷物は複数回のコピーのためかぼやけていました。これを高解像度でスキャニングして元データにして復活することに。

2,000を超える樹木1本1本を写しながら、これを新規に作成するときはもっと大変だったはず、しかも分担がきかない一人作業。気が遠くなる作業の連続だったはず……。あとで分かったのですが、樹木の種類ごとに色が付いていました(ベースにしたものはモノクロのコピーでした)。聴けばN原さんの仕事。根気のいる作業でただただ脱帽です。調査しデータ化したみなさんの意思を後生に伝えたい。

復活した分布図は、さまざまな利用を想定して、透明な下敷きのような「レイヤー」で構成しています。針葉樹、針葉樹番号、落葉広葉樹、落葉広葉樹番号、等高線、境界などのレイヤーをオン・オフすれば、落葉広葉樹の分布だけ、なな山全体の分布など、さまざまな視点からなな山を見ることが可能です。

樹木の色分け分布を使えば、小学生の植物観察でなな山での落葉樹と広葉樹がどのように分布しているかの教材になるかもしれません。コナラなど落葉広葉樹は日当たりがよい西の山や南斜面に多い、樹木は同じ種類が固まっている、クヌギは広場奥にしかない……といったことが分かってきます。

この分布図は、Microsoftのフリーソフト「Paint.net」(ペイント・ドット・ネット)で製作しました。PhotoshopやIllustoratorなどのソフトは有料で高額なので敷居が高いのですが、「Paint.net」は比較的使いやすいソフトです。ただし使い方の説明がネットを探しても少ないのがデメリットです。ソースデータの使い方については、ソフトのインストールなどを含め、改めてお知らせします。

樹木地図(番号あり).png
樹木地図(番号あり)。容量制限のためサイズを小さくしてあるので番号がぼやけている

樹木地図(番号なし).png
樹木地図(番号なし)

常緑広葉樹.png
常緑広葉樹の分布

針葉樹.png
針葉樹の分布

落葉広葉樹.png
落葉広葉樹の分布

コメント(0) 
共通テーマ:地域