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タラッタ、タララ、探してみよう! キノコ探索隊 [よもやま話]

里山の秋は、恵みの季節。暑い夏に蓄えた滋養たっぷりの果実があちこちに芽を出す。アケビ、クリ、ドングリ、ムカゴ、キノコ……。里山は自然の恵みであふれている。

西の谷で折れ枝の片付けをしていると、「きれいなキノコを見つけた。写真を撮って!」とS々木さんが声をかけてきた。その少し前、西の山で枝が折れた高い木の周囲に立ち入り禁止のロープを張っているとき、黄色赤で毒々しく大きなキノコを発見してみんなでひとしきり盛り上がっていた。「黄色と赤でひと際目立つ。人を誘う毒キノコに違いない」と後ずさりする人がいれば、「タマゴダケだ」「食べられる!」と落ち着いて語るのはベテラン。T木さんの大好物で、見つけたら教えて欲しいと言ったとか……。「食べたら当たるよ!」「T木さんは大丈夫らしい」「毒をもって毒を制す??」。強い色彩に誰も採取しようとしない。

キノコは「木の子」が由来で朽ちた木に生える。茸と書き、草のしたに耳のような形をして生える、ということ。何千種もあり、同じ場所同じ時期でも同じキノコが生えるとは限らないようで、まだまだ研究途上らしい。

S々木さんが教えてくれたキノコは、希少植物の観察区画を草刈りしているときに発見したもの。真っ白でゆで卵そっくりの可愛らしいキノコと、それが成長してカサ(傘)ができてきたもの。草葉の陰にひっそり隠れていたようだが、観察眼が鋭いI田さんが発見した。タマゴの形そっくりなので、あのタマゴダケの幼少期では? といぶかっていると、「シロテングダケだ」とA田さんが話に加わる。猛毒のシロタマゴテングダケらしい。真っ白で美しいのに猛毒、黄色赤で毒々しいのに珍味とは、キノコの世界は色・形では判断できないアンタッチャブル・ワールドだ。くれぐれもご用心。

先日のブログで尋ねた丸太看板に生えていたキノコについて、博物博士のA田さんが「黄色いのはヒイロタケ(緋色茸)。黄色いサルノコシカケと呼ばれたりする。白く大きいのはクジラタケ(鯨茸)だ」と調べてくれていた。キノコの名前を調べるのは、花木ほど体系的に分類されていないだけに苦労が多く、とっても有り難い。

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タマゴダケ。

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シロテングダケ。ゆで卵の殻を割ったようなスベスベした帽子。

シロテングダケ_2.jpg
シロテングダケ。帽子が成長してカサ(傘)になろうとしている。猛毒のシロタマゴテングダケ。

黄色いキノコ.JPG
ヒイロタケ(緋色茸)、サルノコシカケ科。黄色サルノコシカケと呼ばれる。

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クジラタケ(鯨茸)、サルノコシカケ科。

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