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雑木林の活動と作業道具 [プレイバック]

現在多摩市内には、雑木林の保全育成のために、グリーンボランティア活動を行っている団体が幾つもあります。活動場所は、公園内或いは昔からの雑木林(里山)で、樹木の手入れ・草刈りを中心に活動を行っています。

雑木林は、かつて防風林であったり、薪や炭を作るなど日常生活に密着したものも多く、現在とは異なった状況です。雑木林に限らず、森林は手入れをしないと放置林となり、薄暗くなって雑草すら生えず、植物の根により保持されている斜面の土は雨により流されてしまい、ゆるい地盤では木も倒れ、風通しの悪さから病気や立ち枯れてしまうことにもなります。一方、若い木には勢いがあり、当然より多くのCO2を吸収し、温暖化防止に一役貢献しています。雑木林を保全育成し若返らせることは、とても意味があると思います。

グリーンボランティアの団体が、市内各地区で継続的に活動し、楽しみながら雑木林や緑地の手入れや木材・竹の有効活用に取り組んでいます。以前、東京西部の桧原村・奥多摩の荒れた人工林の手入れを手伝っていましたが、現在は地元多摩市内、和田の「ななやま緑地の会」と豊ヶ丘の杜の「フレンドツリーサポーターズ」を中心に活動しています。雑木林にはコナラ・ヤマザクラ等の広葉樹や様々な草花があり、保全育成する上で病気や日照不足を補うために樹木の伐採をして間引きをします。発生したヤマザクラをそのまま放置するのが偲び難く、広場の休憩用テーブル・ベンチの材料に再利用しようと計画しました。丸太からテーブルにする過程(伐採・製材・運搬・加工)の中で運搬が特に難点でした。伐採から半年乾燥させた丸太を、簡易製材機とチェンソーで長手方向に分割して半割り丸太にし、ワイヤー索引機などでキャタピラ式運搬車に載せ、ふもとの広場まで降ろしました。半割り丸太とはいえ直径40~50cm、長さ2.7mで重さは100kg超ですから、人力のリヤカーでは無理でした。かといって動力機械があれば良いというものでもなく、運搬車へ積み込むのも運ぶのも、結局仲間と知恵を出し合って道具を駆使してこそ問題が解決出来たと思います。広場へ降ろした材は、鉈や皮むきヘラで硬い皮を剥がし、チェンソーで加工して同じヤマザクラの丸太脚と合体させ、ヤマザクラのテーブルが完成しました。

皆で考え、力を合わせて得た感動を共有するのは格別のものがあります。雑木林の活動には、山の手入れや草刈りの他に、こういった楽しみもあります。皆さんも、自分の体と相談しながら、自然の中で一緒に汗を流してみませんか。
   S田さん
   多摩市グリーンボランティア通信「グリーンサークル」28号(2017年10月20日)より

S田さん:1994年東京都桧原村でスギ・ヒノキの伐採などの森林ボランティアを始め、素人の技術に限界を感じ、あきる野の林業家に従事。山仕事の補助作業と引換えに技術指導を受ける。現在多摩市グリーンボランティア講座講師。なな山緑地の会他複数の会に籍を置く週末版木こり。

ヤマザクラのテーブル.png
ヤマザクラのテーブル

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ヤマザクラの伐採

完成したテーブルとイス.png
完成したテーブルとイス

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S田さん

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