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梅雨空のなか、青学学生ボランティアが意欲的に活動に参加! - 活動記録(2021.7.11) [活動報告]

なな山緑地の会の皆さん

活動記録 No. 412 (2021/7/11) を作成しました。(M崎さん)

5月初旬より延び延びになっていた青学の学生ボランティアの活動参加がやっと実現した。 初めてカマを手にして、斜面でシノタケの手刈り体験は少しきつかったかもしれない。

曇り空で厚さ指数も28℃以下なので、久しぶりに午後 2:00 まで活動した。学生ボランティアもヒノキの皮むきとカシノナガキクイムシのカウントに意欲的に参加してくれた。次回のボランティア参加は9月の予定です。

次の活動日は 2021年7月25日(日) です。
ではまた、なな山でお会いしましょう。

活動概要:
青学の学生ボランティア活動参加のサポート、伐倒予定木の計画調査、ヒノキの皮剥き等
参加者:
20人(男性13人、女性7人)
連絡事項:
1. 天気の様子を見ながら午後も活動するか決める。
2. 青学の学生ボランティアが活動に参加する。
3. ボランティアの参加目的と学生の自己紹介。
4. ナラ枯れ経過観察・カシノナガキクイムシのカウント説明。
5. 学生ボランティアに緑地内を案内する前の注意・案内。
6. サツマイモの蔓返し・ニラの収穫他。
感想:
今日は5月初旬より延び延びになっていた青学の学生ボランティアが我々の活動に初めて参加した。
ほとんどの学生が初めてカマを手にするので、怪我をしない様に注意しながら、手刈りを体験してもらった。
曇空で湿度は高いが気温はあまり高くなく、暑さ指数も28℃以下なので午後も1時間だけ活動する事になった。
昼食後に学生ボランティアは2班に分け、カシナガトラップに掛かったキクイムシのカウントと前に伐倒してあったヒノキの皮剥きの活動に参加してもらった。

刈草を畑に運ぶ_640.jpg
刈り草を畑に運ぶ

チェンソー整備.JPG
チェンソーの整備

クヌギ苗床の整備.JPG
クヌギ苗床の整備

なな山緑地見学.JPG
なな山緑地の見学

シノダケの手刈り_640.jpg
シノダケの手刈り

カシナガの説明.JPG
ナラ枯れ対策の説明

カシナガをカウントする.JPG
カシナガをカウントする

ヒノキ材皮むき.JPG
ヒノキ材の皮剥き

オオバギボウシ.JPG
オオバギボウシ

ヤマユリ.JPG
ヤマユリ

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どんぐりの発芽のその後:移植と実生苗の経過観察 [よもやま話]

なな山の広場の端にコナラのドングリが発芽しているのを見つけたのは2月のことでした。なな山では、これまでもクヌギの苗を育てて来ているのですが、コナラがあっても好いのかなと、畑の隅に移植しました。

3月のコナラの実生の様子.jpg
3月のコナラの実生の様子

残念ながら、あまり成長しません。A田さんの話では、ドングリの実の栄養で育つとのことで、葉を拡げ光合成が出来る状態で移植することにしました。

根を切らないように周りの土と一緒にポットに入れて畑に移植しました。

ポットの苗木.jpg
ポットの苗木

環境を安定させるためにポットとポットの間に土に埋めて、乾燥を防ぐようにカヤを間に敷きました。
5月ごろの作業になりました。

コナラの実生苗.jpg
コナラの実生苗

5月末近くには、葉の間から新たな樹幹が立ち、さらに葉を拡げました。
コナラらしい姿になってきました。

コナラの実生苗(拡大).jpg
コナラの実生苗(拡大)

山に入るとコナラのほかにサクラの実生もあることから、同じ方法で畑に移植してみました。
(近くにウスミズザクラの木があることからウスミズザクラの実生であることを期待しているのですがどうでしょう。)

サクラの実生苗.jpg
サクラの実生苗

ここから二枚の写真は7月初めの現在の状態です。

コナラは、葉を虫に食べられたりしながらも日光を浴びて、新しい葉を拡げ、上に伸びてきました。

7月のコナラの実生苗.jpg
7月のコナラの実生苗

サクラもしっかりとしてきました。
成長が期待できそうです。

7月のサクラの実生苗.jpg
7月のサクラの実生苗

A田さんの話では、多くの実生がいつの間にか成長を止めて見えなくなるのは陽の光が届かないからではないかとのことでした。
なな山の中で育つ環境を整えて移植して、大きく成長する日は来るのでしょうか。
それを確認するまで生きていることは出来ないと思いますが、それぞれの種が限られた時間の中で、出来ることをしてみるということなのだと思いました。
畑でカブトムシを見つけました。
   N山さん

カブトムシ.jpg
カブトムシ

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ナラ枯れと里山保全 - なな山だより [なな山だより]

2020年8月森木会からの報告ではじめて聞いた「ナラ枯れ」。みなさんの反応が早く、西の山で次々と見つかる。松枯れとイメージが重なり、なな山から樹木が消える……と動揺。このときこそ「正しく知る」ことの大切さを実感した。

関東南部に限れば、ナラ枯れの被害はほぼコナラ。ナラ枯れはナラ菌が樹木の細胞を壊し、これに抗する樹木の防御反応で導管が詰まる病気。樹液が樹冠に届かず、葉が全枯れし枯死木になることも。このナラ菌を媒介するのがカシノナガキクイムシ(以下カシナガ)。カシナガはコナラに穿孔して内部で繁殖する。

9月西の山からスタートしたナラ枯れ調査は、ササが生い茂るなかヤブ漕ぎをしながら樹木1本1本を見て回るという悪戦苦闘の連続。すぐ側にいたはずの仲間がヤブに消え、大声で動静を確認することもしばしば。急斜面で滑り落ちても助けに行くのにひと苦労。7回に及んだ調査の結果、コナラ437本のうち、枯死木(全枯れ)6本、感染木32本。特に西の山の被害が激しかった。感染木とは被害を確認できるが全枯れしていないもの。感染しても耐えて生育する可能性が高い。

2月からナラ枯れ対策が始まった。方針は3つ。①枯死木は、伐採し域外搬出のうえ焼却。これは多摩市依頼の業者が行う。②感染木は、カシナガの新成虫が飛翔してナラ枯れを拡散するのを防止するためビニールシートで被覆する。タオルを巻いた二重防御も行う。③未感染の健全木は、カシナガの穿孔を予防するためトラップを取り付ける。いずれも対策初年であり効果は未知数だが、成果を期待したい。ビニールシート被覆は思いのほか難行だ。特に根の周りを掘り起こしシートの端を埋め込む作業には手間取ってしまう。新成虫が飛翔する5月下旬までに準備を整えたい。

ところで、このナラ枯れはカシナガが大量に発生することが原因。カシナガは繁殖に最適な大径木を好んで穿孔する。昔コナラは薪炭用に15年ほどで伐採し、萌芽更新を繰り返していたため大径木が少なかった。燃料革命で石油・ガスが普及し、薪炭の需要が減る。放置されたコナラが大径木になり、カシナガの繁殖拡大につながった。程度の差はあれコナラすべてがナラ枯れに感染すれば終息するが、立ち枯れした木を放置するのは危険だ。大径木を減らしながら、コナラとカシナガの共生を図り、ナラ枯れの被害を抑えることがポイント。皆伐で生態系を破壊するより、区画を絞って数年単位で伐採する「エリア伐採」は有効な手法のひとつだ。生態系を維持・更新し、生物多様性を活かすサステナブルな里山保全の試みがテーマとなる。これには長期的な保全活動が欠かせず、私たちの継続的な活動が求められている。
   S子
   「なな山だより」52号(2021年5月)より

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カシナガトラップ取り付け

P.2 ナラ枯れビニール被覆作業_IMG_0052_210314.jpg
ナラ枯れビニール被覆作業

『なな山緑地の植物』
なな山に成育する植物の花と実を掲載したパンフレットです。
グリーンライブセンターで頒布しています。
なな山の散策の友としてぜひご活用ください。
・春夏秋冬の植物 236点(花189点、実 47点)を収録
・24ページ(表紙含) 200円

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『なな山緑地の植物』

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畑の様子など - 梅雨空の下で畑にカヤ敷き [よもやま話]

先回の活動日(6月27日)にはジャガイモの収穫が出来ましたが、同時に、土手のカヤ刈りも行われました。カヤ刈りは、西側のバス通りの土手に生えているカヤが生い茂り、歩道にも出ているとのことで行ったものですが、土手の傾斜はきつくカヤも大きく育っていて大変な作業でした。担当したN田さん、S子さん、ご苦労様でした。

道路際の刈り取られたカヤの様子.jpg
道路際の刈り取られたカヤの様子

ところで、そこで刈られたカヤは、多くは畑に既に敷きこまれました。
カボチャ、スイカ、ハヤトウリの畑に敷き込まれて、作物が直に土に触れたりしないようにしてキレイな状態で収穫をするために使われました。

こちらはカボチャの畑、蔓が伸びる土手の様子。
カボチャの成長は早く、毎日のように土手にカヤを敷いても間に合わない程です。
今回は、かなり先の方まで敷くことが出来ました。

カボチャの畑の様子.jpg
カボチャの畑の様子

スイカはこれからですが、蔓がどんどん伸びても大丈夫状態まで敷き込みました。

スイカ周りの様子.jpg
スイカ周りの様子

ハヤトウリの畑も万全になりました。
カヤは畑の保湿効果もあって最高です。

ハヤトウリの周りの様子.jpg
ハヤトウリの周りの様子

ハヤトウリの畑は、既に先を見越して、シノダケで棚も作りました。昨年の経験から、地面を這うよりも上に伸びて実をつける方が好いようです。
収穫も楽です。

ハヤトウリの棚の様子.jpg
ハヤトウリの棚の様子

そんな作業の結果、受粉も順調で、たくさん実がついています。
順に紹介します。

カボチャは既にたくさんの実をつけています。今年は大玉と小玉を二株ずつ植えられていますが、どちらも順調です。

カボチャの成長の様子.jpg
カボチャの成長の様子

スイカの方も同様にちゃんとスイカの顔をしています。

スイカの果実の様子.jpg
スイカの果実の様子

今日も刈ったカヤをスイカの畑に敷きました。
大切に育てるためにスイカの座布団を作る話も出ています。
夏の収穫が楽しみです。

畑へのカヤの敷き込みの様子.jpg
畑へのカヤの敷き込みの様子

畑では、今年もブルーベリーが身を膨らましています。

ブルーベリー.jpg
ブルーベリー

山ではヤマユリが咲き始め、周りに強い香りを漂わせています。

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ヤマユリ

ギボウシやオオバノトンボソウ、ニガナなどの花も見ることが出来るのですが、最後は、私が今年お友達になったヒメドコロの花をご紹介。今、かわいい花を咲かせています。

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ヒメドコロの花

梅雨真只中ですが、週末11日の定例活動日は青山学院大学のボランティアの参加も予定されています。活動できるような天気になると好いですね。
   N山さん

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ネコハギ -植物標本- [なな山緑地の植物標本]

植物標本は、植物がその時その場所に生えていたことの証であり、地域の自然環境の歴史的変化を知る唯一の手がかりとなっています。なな山緑地の会では、2016年より緑地内の植物調査を兼ねて牧野標本館へ寄贈するべく植物標本を作っています。
制作:なな山緑地の会 植物標本プロジェクト
同定協力:内野秀重さん

このコーナーでは、2016~2017年制作した標本を随時紹介していきます。原本をご覧になりたい方は、N原さんに声をかけてください。

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ネコハギ

採集日:
2016年9月24日
生育環境:
バス通りぞい 陽あたりの良い斜面 アズマネザサの下
ノート:
これ1株のみ
整理番号:
No. 371

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なな山のヤマアジサイ 山紫陽花 アジサイ科 - なな山だより《なな山植物誌》 [なな山だより]

なな山の西の谷の奥にヤマアジサイが1株あります。目立たない場所なので、季節になると人知れずにひっそりと咲いています。この木は園芸種のヤマアジサイかもしれないという専門家の意見ですので、ここでは「なな山のヤマアジサイ」ということにしておきます。
ヤマアジサイの花はガクアジサイよりも小ぶりで葉に光沢はなく、葉裏の脈腋に短い毛があります。外側の大きな花弁のように見えるのはガクが変化した装飾花です。実際に受粉して結実するのは中央の小さな花です。花にはよい香りがありません。そのためでしょうか、装飾花は精一杯大きくひろがり、昆虫に花のありかを知らせます。他のヤマアジサイの花粉を背負ってきた昆虫は中央の小さな花の上を動きまわります。受粉が済むと装飾花は裏返しになり、受粉が済んだことを昆虫に知らせます。これで終わりではありません。秋になると下を向いた装飾花は風をとらえて、中央の熟した小さな種をできるだけ遠くへまき散らすのです。親元から遠く離れた生育に適した環境にたどり着くことをねらっての仕掛けでしょう。
   N原さん
   「なな山だより」52号(2021年5月)より

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受粉前のヤマアジサイ(Wikipedia)

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装飾花が裏返しになった「なな山のヤマアジサイ」

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天然林、自力再生は無理? ブナの木成長ササに阻まれ 調査40年 - 毎日新聞 2021.6.21記事 [ナラ枯れ]

ブナ林の再生を40年にわたって調査した森林総研のレポートが毎日新聞で取り上げられました。超長期の研究から植生遷移の一端を窺うことができます。

ポイントは、こうです。
「一度ササの茂る『野』になってしまうと、自然にブナの『山』へと戻るのは難しいことが分かった。近年はスギの伐採後、自然に広葉樹が芽生えて育つことが期待されているが、今回のようにブナの種子が豊富に落ちてくる環境でもうまく成長できなかったので、かなり厳しい」

天然林 自力再生は無理?_2021-6-21_毎日新聞夕刊.jpg

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