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オオバギボウシ「なな山つれづれ草」 - なな山だより [なな山だより]

7月中旬、「なな山緑地」では梅雨の中でオオバギボウシの花が咲き始めた。ギボウシの名は橋の欄干についている擬宝珠に花序が似ていることに由来するもの。
学名はシーボルト(1796~1866)によってヨーロッパにもたらされたため、シーボルトに因んでつけられた。

シーボルトと日本との関わりはシーボルトが長崎の出島商館長の侍医として来日したことに始まる。当時ヨーロッパでは、鎖国下の日本は神秘的な国であるとともに、ヨーロッパの地で育成できる植物の宝庫である事が知られていた。
日本滞在中のシーボルトは長崎の出島に植物園を作り、日本の植物の収集と植物画の製作、民族資料の収集にいそしんだ。

1829年9月オランダへの帰国の直前に台風に襲われ、禁制品を持ち出そうとしていたことが発覚し、シーボルトは永久国外追放になった。
だが、帰国にあたって用意した膨大なコレクションは無事にライデンに到着した。その中には生きた植物2,000点と標本12,000点があり、その植物の中にギボウシがあった。数ヶ月の船旅をして到着した植物は、その後15年を経るうちに生き残ったものは40種類になったといわれている。ギボウシのあの大きく太い根が生命を繋いだと思われる。
当時のヨーロッパにはギボウシの何種類かはすでに中国から、もたらされていた。

現在のアメリカではThe American Hosta Society(アメリカギボウシ協会)ができるほどの人気。葉が美しくボリュームがあることから、欧米ではグランドカバーとして庭植えされていることが多い。
   N原さん
   「なな山だより」創刊号(2005年9月)より

オオバギボウシ H17-7-24.png
なな山緑地にて撮影

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