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なな山緑地 草本分布 キンラン - なな山だより [なな山だより]

きっかけは、グリーンボランティア森林会のキンランとタマノカンアオイのモニタリング調査でした。2019年春、N原さんから引き継いだ調査活動。3月シュンランが顔を出し、オオイヌノフグリの青い花が春を告げると、次々と草花が咲き誇りなな山が一番輝く季節を迎えます。キンランの調査区域は、西の尾根の斜面地で2017年黄色のテーピングエリアに、22株印つけ。2018年は4株増え、26株に。2019年は更に増え、31株確認できました。ここでふと、なな山全体で何株位のキンランがあるのだろうと。山が金蘭色に染まる風景を思い浮かべ地図を作成し、花を見つけた場所に落としていくことに。調査日は、4月28日活動日。植物観察時に大勢の目で緑地内を見て廻ると、あそこにも、ここにも!と大騒ぎになる程の量。事前にA田さんにこの話をしたところ、2005年に調査した資料があり、比較することができました。当時は、キンラン23株の記録が残されています。今回はなんと、131株。西の山限定ですが、元々の分布エリアに加え、陽あたりの良い山頂付近に多数確認でき、広がっていることに気づきました。

キンランは、低山や丘陵の広葉樹林内に生える多年草で地上性のラン。絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。高さは30cm~70cm。花は黄色で半開し3~12個。モニタリング調査では50cm前後が多く、花を10個以上付ける株も多く見られます。昔はどこにでもあったそうですが、近年、下草刈りをしなくなったこと、盗掘などにより個体数が減少。そう考えると、なな山緑地は良く手入れされ、健全に育つ環境が保たれていることになります。ちなみに、他に類をみないサイハイランは、2005年19株とあり、今回の調査では136株と大幅に増加。西の谷の群落は、陽あたりの変化により、元気を無くしていますが、他の場所で着実に増えています。希少種の花をいつまでも見ることができるように、大切に守っていきたいものです。

環境の変化は今後、地球温暖化などの影響を大きく受けそうです。月2回の活動が、豊かな植生がずっと続く手助けとなりますように。
   I井さん   「ななやまだより」49号(2020年5月)より

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